がん治療中、生活保護を決断する前にできること

「がんで働けないし、お金もありません。もう生活保護しかないのか…」と考えている方へ向けた内容です。

生活保護の申請の前にも行える手立てはあります。

実際に生活保護を選択せずに日々生活を維持し、がん治療を継続している方のご相談をもとにがん患者さん専門の看護師FPがお伝えします。

どのようながん患者さんが生活保護を検討しているのか

相談者の中には、がんに備えて余剰資金があるので、効果的な使い方を教えてほしいと希望される方もいました。

しかし、ほとんどが日々の生活でやりくりしていた方です。

がんになり利用できる制度や医療保険、がん保険の給付金を利用したけれど、長期の治療により資金が厳しくなってきたという方が多く占めています。

元々の収入は100万円台~1000万円まで様々です。

元々の収入があっても長期的ながん治療で生活が厳しくなるというのは珍しいことではないのです。

生活保護の概要(千葉市の場合)

生活が厳しくなった段階で、選択肢の中に入ってくる生活保護とは、このような制度です。

病気やケガ等何らかの事情により収入が途絶える・蓄えがなくなるなど、生活が困難になった場合に、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、最低限度の生活を保障するとともに、それらの方々の自立を助長することを目的としている制度です。
世帯単位を原則としており、国が定めるその世帯の最低生活費と、世帯全ての収入を比較して、不足する場合にその不足額が保護費として支給されます。千葉市ホームページより抜粋)

実際に生活保護を受給されているがん患者さんと何名かお会いしていますが、「申請するときには良くなったらやめようと思ったけれど、やっぱり無理みたい」という方や、「子どもが独立したら保護費が少なくなり、大変です」という声が聞かれています。

 

色々と検証されたうえで、生活を維持し治療も継続していくためにはやっぱり生活保護が妥当というケースもあります。

しかしこれを読んでいるあなたは「できれば他の方法はないか」と思っていませんか?
まずは今からお伝えする、この方法を検討されてみてはいかがでしょうか。

また、今回のコロナウイルス関連でお困りの方は、「コロナウイルス感染拡大予防により、収入が減少したがん患者さんへ」も合わせてご覧ください。

がん治療中、生活保護を決断する前にできること

1.年金の加入状況を確認してみる

老齢年金は、現在10年以上の加入期間があれば受給可能です。

障害年金に関しては、がんの影響で生活や仕事に支障を来している場合、申請することが可能です。
さかのぼって申請し、まとまった金額が支給され、安心して治療を受けられた患者さんもいました。

障害年金に関しては要件がありますので、障害年金の概要を記載しているこちらのページよりご確認ください。

加入状況は年金事務所(要予約)か街角の年金センターにて確認されることをお勧めします。

2.障害者手帳を確認してみる

自治体によりますが、医療費助成を受けられる可能性があります。

がん患者が申請できる障害年金と障害者手帳と介護保険のポイント

3.今持っている資産を活用する

生活保護申請する際には自治体窓口にて所有している資産について確認があります。

世帯の資産(土地・家屋・自動車・貴金属・預貯金・生命保険等)で、生活保護を受けている間に保有が認められないものについては、売却等の処分をして世帯の生活費に充ててください。(一定の条件のもとに保有が認められる場合もありますので、詳細については各区の社会援護課にご相談ください。)千葉市ホームページより)

これは、処分と書いてあるので厳しく感じますよね。
しかし、「あなたが持っている資産を活用することで、金銭的に厳しい時期をしのぐことが可能かもしれない」というメッセージでもあります。

 

あなたの治療期間によっては、しのぐことが可能かどうか判断が難しいところではあります。
ですが既に持っている資産を活用することで、生活維持できる可能性もあるということです。

生活保護を決断する前に可能性のある方法を検証してみる価値はあるかと思いますよ。

たとえ生活保護を受給したとしても、そのまま自宅に住み続けるという可能性もゼロではありません。

 

生活保護の申請に迷っている方がこれから行うこと

今回は生活保護の概要と他に利用できる可能性のある制度や資産の活用について解説しました。

本当に生活保護を決断すべきなのか、それとも今回挙げた方法があなたに合っているのかは早急に確認していきましょう。

生活保護以外の選択をするならば、なるべく手持ちの資金が残っているうちに実行に移すことがポイントとなるからです。

どうしたら良いか迷っている場合は、一度がん患者に詳しいFP(ファイナンシャル・プランナー)に相談し、生活保護以外の方法の可能性の確認と行った場合のシミュレーションをすることで、解決策が見えてくるかと思います。(→「がん患者がFPに相談すると何が変わるのか」)

どこから手を付けて良いかわからない場合は、まず一緒に考えてみませんか。

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10年間の看護師経験を持ち、現在も3つのがん診療連携拠点病院での家計相談員を務める、がん患者さん専門のFP(ファイナンシャル・プランナー)

制度だけでは解決の難しい患者さん個人の家計の悩みのサポートに専念するため一念発起し、2016年に看護師からFPに転身。

これまで千葉を中心に、悩みを抱える全国のがん患者さん、ご家族約250人のお金の相談を担当。

著書:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)
全国で講演やテレビのコメンテーターも行っている。

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