AYA世代の乳がんサバイバーが伝えたかった再発後の医療費や障害年金の話

がん患者さんのお金の専門家、看護師FPの黒田です。

先日、30代の乳がんサバイバーYさんがこの世を去りました。

まだ気持ちの整理がつきませんが、彼女が希望していたことを叶えることが、今私にできることなのかなと思い、今回まとめることにしました。

がん治療中のお金の解決準備セット

最短1日5つの効果が得られる「がん治療中のお金の解決準備セット」は、現在91名の方が実践中です。登録後すぐにご利用いただけます。

がんとお金の本の読者だったことがきっかけ

がんになったら知っておきたいお金の話

看護師経験とAYA世代の乳がんサバイバーとして、がん患者さんが気になる情報をYouTubeにアップしているYさん。

もともと、Yさんは拙著「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」の読者でした。

昨年末私がYouTubeを始めた直後に連絡をいただきました。

「先生と連絡が取れたらと調べていた矢先にYouTubeを始めたことを知り、これは何というタイミングだ!と、まず同じように困っている方に少しでも情報がまわるよう…」

とYouTubeのコラボ動画のお誘いをいただきました。

YouTube動画の収録日のこと

トントン拍子にお話が進み、1月4日にZoomでセッションし、AYA世代の医療費の悩みや、医療費控除、障害年金のこと、FPががん患者さんにどんな支援が行えるのかなど色々お話しました。

色々お話するうちに、Yさんの個別相談的な内容にもなりましたが、「きっと自分と同じように気になっている方が多いので、良ければそのままアップしたい」とおっしゃっていました。

私とセッションする前からYさんは病状により、少し声が出しづらそうだったのを覚えています。

40分ほど収録し、お互いのYouTube内に気になる内容を部分的にアップしていくというお話をしておりました。

1月中旬に私の方でアップする予定だった動画の編集が終わり、Yさんに確認のためお送りすると、内容的にはOKだったのですが、ご自身の声が気になったようで、テロップや情報を入れておきたいと連絡がありましたので、動画をお預けしました。

彼女の思いをどう叶えようか悩んだ上出した結論

先日、そのYさんがお亡くなりになったということを知りました。

みんなにお金のことを伝えたいという気持ちで連絡くださり、体調を押してまでセッションし動画の編集を行っていたYさんの気持ちを考え、動画をアップしようかとも思いましたが、彼女が気にされていた声の部分も尊重したい。

私がテロップを入れることにより彼女が伝えたかったことが変わってしまうよりは、今回部分的ではありますが、文字起こしすることで伝えたい部分を多くの方に届けられたらと考えました。

本当だったら、彼女は登録数8,000名以上いるYouTubeチャンネルにアップできていました。

彼女の伝えたかったことが伝えたい人に伝えられない悲しさ、つらさを考えると、少しでも多くの方に知ってもらえたらと思い、文字起こしをしました。

同じように悩んでいるがん治療中の方、特にAYA世代の方に届けることが、今私ができるYさんへの全てなのではないかと思います。

ここからは、動画でお話した内容をできるだけそのまま文字にしています。

一緒に暮らしている親とのお金の関係と制度と扶養について整理

Yさん:生活は父親、ただ医療費に関しては自分の方で払っており、役所に説明して世帯分離している。その場合は医療費控除にはなるんですか?

看護師FP黒田

世帯分離であっても生計が一緒であれば、医療費控除は一緒に可能だと税務署に確認できています。
たとえ別居であっても、仕送りなどで生計が一であるならば医療費控除は可能なので。

(別居の場合)仕送りは振込みなどで通帳に記録が残しておくと良いかもしれませんね。

Yさん:扶養に入る、入らないという違いというのも難しくて、なかなか。

黒田:(Yさんの収入を確認し、)お父さん、お母さんの職場で、扶養の条件をまず確認してみると良いですよ。

もし、入れるようなら、今の状況なら入った方が保険料は抑えられるかもしれない。

けれど、現在の高額療養費の区分と多数回該当の状況で、もしかしたらお父さんの方が区分が高くなったり、多数回該当がリセットされるとデメリットの方が大きいかもしれないですね。

障害年金はAYA世代も可能

看護師FP黒田

今の体調はいかがですか?

Yさん:ここ2、3ヶ月でかなり体調を崩しまして、特に抗がん剤のあと体力で立ち上がってきていたのが、立ち上がれなくなったというか。2週間とかで起き上がれなくなった時期が増えまして、で輸血を繰り返してたりとかしていたので、ここ2、3ヶ月は働ける状態ではなかったっていうのもあるんですけど…

黒田:最初にがんになった2●歳のときは、厚生年金でした?

Yさん:そうだったと思います。

黒田:障害年金っていう言葉は聞いたことあります?

Yさん:あります。でも全然知らないです。

黒田:ちなみに国民年金って払っています?

Yさん:払ったり払わなかったりです。

黒田:そのときって、免除申請とかは?

Yさん:してます。

看護師FP黒田

であれば、未納にはなっていないかと思いますね。
初診日の時点で厚生年金の方は、1~3級があるので、今お伺いした感じだと、障害年金申請ができる可能性があるので、お近くの年金事務所かまちかどの年金センターに予約して、年金手帳や初診の状況がわかるものを持っていくと障害年金の可能性について詳しく聞けますよ。

Yさん:あ~、そうなんですか!

黒田:けっこう、寝たきりじゃないと、申請できないと思われがちですけど、仕事や生活に支障をきたしているのかなので、前はフルで働けていたけれど、今は時間とか減らしてでないと仕事が難しいとか。軽作業でないと難しいとか。病名で決まるものでもないですし。

Yさん:厚生年金に入っていれば、障害年金は可能なんですか?

黒田:いえ、国民年金でも可能ですけれど、国民年金は1・2級のみなので、2級って一日の内半分くらいはベッドに横になっているような状況ですので、がんの患者さんだとハードルは高い印象がありますね。障害年金は書類ベースで審査なので、出してみないと何級かもわからないんですよ。

Yさん:障害年金って何歳からいいんですか?

看護師FP黒田

20歳からですよ。

Yさん:知らなかった~。どうしても、私たち世代40より下って介護保険が使えない関係で、いろんなサポートが少ないので、40までの日々をどう過ごしていくのか。ってけっこう大きなトピックだなって思っているんですけど。そんな中で、働きながらでも障害年金が多少受けれるって、すごい大きなことだなって思ったんで。

黒田:働けるペースが上がってきたら、その方によって違いますが再度見直しのときにそこで一旦終了もできますし、また年金保険料を納めていけば老後も年金を受け取ることもできます。

Yさん:なるほど~。ちょっと障害年金、実際に申請してみたいと思います。こういうお話を聞けるだけでも、支えになりますよね。お金のことって、どんどんメンタルをむしばんでいきます。お金が無いから治療をやめなきゃならないとか。考え始めた時期もあったり。
生活のこともそうなんですが、しんどいから抗がん剤をやめてそしたら治療費の分お金浮くから自分の好きなことに使おうかというのも選択肢の一つだと思った。やっぱり不安に直結しやすいですよね、お金って。

看護師からFPに転身した理由

Yさん:ご本の中にFPを目指したきっかけが書いてあって、色々とあったみたいなので聞かせていただきたいんですけど。

黒田:結婚するときに、自分の家計のために勉強したんですけど、勉強するにつれて、患者さんの顔が浮かんできて、あの患者さんに伝えてあげたかったなというのが。思い返すと、生活のことの延長でお金の話を患者さんに聞いても、お金のことって看護師はなかなか言えないじゃないですか。

Yさん:踏み込んでいけないというか。でも生活には直結しますよね。

看護師FP黒田

そうなんです。あの頃はお金の知識が無かったっていうのもあるし、看護師としては言っちゃいけない部分だなっていうのがあったので、お金の部分をそこまで踏み込んで良いのかと。
なので、見方を変えて、お金の専門家としてなら入っていけるんじゃないかと思ったのがきっかけですね。ただ、だれもそれは知らないことだったので、私が勝手に思いついたことだったので、周りからは需要があるのか?と言われてしまったり。

Yさん:ありますよ!

黒田:看護師続けてた方が良いと言われることもありましたしね。そもそもそんなに困っている患者さん、いるの?と言われたこともあったんですよ。でも、私が患者さんから聞いていた言葉が全てだったので。

Yさん:それがこう今、いろんな方にフィードバックされてて。患者さんの顔が浮かぶというのは、看護師ならではですよね。覚えてますよね、あの患者さんこう言ってたなとか。困ってたなとか。そういうことですよね。もどかしかったことの方が記憶に残ってますよね。

患者さんからの相談料について

Yさん:今、事務所のほうとNPOの方で病院で相談をしているそうですが、事務所でオンラインの相談ってこういう感じですか?

黒田:そうですね、コロナの関係で昨年からオンライン(Zoom)にしたら、全国から相談の希望が入るようになりました。

Yさん:こういうご相談って、お金のこととか聞いておきたいんですけど…一枠いくらって感じなんですか?

黒田:そうですね、基本的にこの相談を受けられる方って、お金に困っている、困りそうな方が多いので、一般的なFPの料金よりは下げています。でないと、相談したい方ができなくなってしまう。かといってボランティアではできない分野なので、専門家として有償にはしています。ここは何年間か悩んで決めてきたことで、今も悩み中なんですけどね。

あとは、単発だと聞いて終わっちゃう。いい案があったとしても、検証してこれどうしましょうか?と一緒に考えて、実行して。そうなると2回は必要。その後のフォローが家計の改善にはとても大切だということもわかってきたので、今は2ヶ月間のパック料金にしています。

Yさん:その人の状況に寄り添って、いろんな申請のお手伝いとかも含まれる?

黒田:そうですね。代行はできませんが、どうしたら申請や手続きがスムーズにいくのかのコツなども。これが結構皆さん気にされる申請や調べ物の時間の差が出てくるところなので、サポートの甲斐がありますね。
見えないところでの効果なので、どの位浮いたかとか。治療費にまわせたとか。住宅ローンや治療費をカードローン組んでいる方、あとはもともと借金がある方に関しては、これ以上負債を増やさないってことになると、今後かからないお金っていうのが効果になってくるので。

Yさん:そうですよね~。そうなんですよ。これけっこうシビアな問題だなって思いながら、お金の相談しているけど、そこでお金がかかるっていうのが。ただ、2ヶ月で3万円って考えたとき、例えば私障害年金のことや家計の助けとなる情報を教えていただいて、それが実現したら今後かなり変わるじゃないですか。3万円以上の。

それを見越しての投資をしての情報料、相談料としてこれから考えている人には考えてもらえたらと思いますね。

看護師FP黒田

その人それぞれの価値観はありますが、専門的にお手伝いできることで、お金と調べ物をする時間を浮かせられると思っていただけたら嬉しいですね。

Yさん:そうですよね。

黒田:ただ、私は公的な制度の情報ではお金はもらわないと決めてまして。これって、もしかしたら時間はかかっても病院や役所で手に入る情報かもしれないけれど、たまたま情報源が私だったってことだけなので。

制度は申請が通ったらゴールではありませんし、そこからじゃあこの金額でどう生活していくか。治療費出していくかが悩みどころなので、そこの埋め合わせが私が専門的な知識を使っていることもあり、専門家としての報酬を皆さん納得していただけていますね。

家計の応急手当サポートに迷われている方は、「家計相談」をご利用ください。多くの要望にお応えし、現在初回限定価格で相談を実施中です。(2021年2月15日現在)

AYA世代のお金の考え方について

Yさん:お金の相談ってすごく難しいようなイメージがあったんですけど、お話聞いた感じでは、病院の相談支援センターや役所からの色々なつながりが大切だなって。

看護師FP黒田

そうですね、特にAYA世代の方って、自分は若いからまだ相談しちゃいけないのかなって考えている方も多いんですよね。

Yさん:そうなんです。高齢の方とか、すごく困っている方がって。

黒田:でも、今、どんな制度が使えるのかといった、困るよりももっと手前の段階で病院の相談支援センターで相談というよりは確認されてみると、そこから色々と広がる可能性がありますよね。

がんと診断されたら、相談支援センターに寄って制度確認していくでも良いと思いますよ。

Yさん:どうしても、がんと診断されてしまうと、治療ドンってなってしまうんですけど、やっぱり治療続けていくと長期化していく中で、結局何年間か経ったときにお金の問題が出てきて、そのときに動き始めるっていうこともあるんですけど、一緒にドンの方がいいんですよね。

黒田:そうですね。若い方は特に今後の生活のことを考えた方が良いので。

Yさん:やっぱりさっきの住宅ローンのこととか負担を減らした方が、6か月後にはもう貯金を切り崩さなければならないってなって初めてこう動き始めるんじゃ、全部手遅れになっちゃいますもんね。すごいな~、勉強になります。

どうにかなるなと思っている段階から動き出した方が、それで治療が早めに終われば、それで全然あっ早めに動いておいて良かったなで終わるので。

黒田:けっこう皆さん困っているのが、がん保険の診断給付金でまとまった金額で当面は大丈夫と思っていて、それが使い終わった後にどうしようってなる方が多い。

Yさん:あるうちにですよね。

看護師FP黒田

そう、あるうちにこのお金をどうやって使おっていったら良いかに考えていってもらえたらと思いますね。残ったら、それをまた自分のために使えるわけですから。使い切る前に、どうやって減らさないで済むのかを。

Yさん:そうですよね。お金って減っていくものなので、どうしても。治療を続けていくかぎりは、よっぽど仕事を維持できるのもかなり難しくもあるので、お金は減っていくものとして、あるうちから考えるってとても大事ですよね。

黒田:難しいですけどね。

Yさん:それをしていなかったんで、ちょっとギリギリになって本とか読みはじめている現状なので、すごく勉強になります。ありがとうございます。

黒田:役所や銀行の窓口って、聞きたいことの返事をきちんと聞くためには、質問の仕方があって、聞きたい側の患者さんはつらいのをわかってもらいたいけれど、それでは質問の仕方はちょっとちがうこともあるんです。なので、こういう風に聞いてみたらどうですか?と質問の方法をお伝えすると、スムーズにいくこともあって、それがお金の悩みの解決への早道になることもあります。

Yさん:へえ~、勉強になります。

初発と再発、色々とお金の悩みは変わる

Yさん:特に、こういう方の相談にのっていますっていうのはあるんですか?

黒田:再発された方が多いですね。今後治療がずっと続いていくって場合、どう生活設計を考えていくかですね。

初発の方は制度が多い場合があるので、比較的住宅ローンや教育費を抱えている方のやりくりの相談が多いです。再発・転移の方は制度の選択肢が狭まっていることもあるので、もう使ってしまったとか。今後の生活設計をどうしようかの優先順位が高くなっているので、一緒に考えていますね。

Yさん:今、まさに私がその状態で、一年間抗がん剤を受けてきているので、すごくわかります。初発の方と再発の方も色々違うと思うので、治療と同時にお金のことを考えていくって大事なことだなとすごく思いました。ありがとうございます。

お話を終えた後のYさんの感想

Yさん:やっぱり違いますね。役所に何回も行ってやっと健康保険の手続きができたという具合でした。こんなに早く色々な制度やお金のことが30分でわかるのなら、今まで費やした時間、役所に通った回数、なんだったのかって感じです。世帯分離、医療費控除、扶養のこと、障害年金これは部署が違うので役所に行っても全部知ろうとするのは時間がかかります。今日、これからもう手続きに動けるので、これからのお金が本当に変わると思います。

すごく驚きました。良い意味で。

自分が調べていることって、たかが知れているし、専門家のお話を聞くことは大事、その中で自分にとってを考えていくことができたらと思って、はじめて声をかけさせていただきました。

黒田の振り返り

他にも国民健康保険のことなどお話しましたが、YさんがYouTubeでアップしようとしていた、障害年金、AYA世代のお金のこと、看護師からFPに転身した理由、お金の相談先としてのFPの活用ですので、そのあたりをそのまま載せました。

伝えたい内容をきちんと適切な言葉で表現できるYさんと、制度やお金のお話ができたことは本当に貴重だったと思います。

個人的な相談も含めてのお話でした。普段の相談もこのような感じで様々な制度やお金のこと、家族のことや仕事のこと、大切にしていることを総合的にお話しながら解決方法を探しています。

感想1

文字だとちょっとわかりにくいのですが、こんな感じで一緒に考えこんだり、笑ったりしながらなので、相談風景をイメージしていただけたら嬉しいです。

お話に出てきた、オンラインでの相談は「家計の応急手当サポート(2ヶ月間)」です。これを読んだ方がお金のことを一人で悩まずに一緒に考えていけたらと思います。

家計の応急手当サポートに迷われている方は「家計相談」をご利用ください。多くのご要望にお応えし、初回限定価格で家計相談を実施中です。(2021年2月15日現在)

YouTubeでYさんが準備していたエンディングの言葉です。

「お金のことって再発して長くなってくると、負担が大きくなってくることなので、お話聞けて良かったです。概要欄にもリンク貼らしていただきますので、悩んでいる方は、ぜひオンラインでZoomで相談もできますので、行ってもらえたら、生活が少しでも楽になるんじゃないかと思います。今日は観ていただき、ありがとうございました。」

Yさん、Yさんの伝えたかったこと、伝えられたでしょうか。一緒に過ごせた時間は、私にとってもかけがえのない時間です。どうもありがとうございました。

お話した内容の補足説明記事です。

がん治療中のお金の解決準備セット

最短1日5つの効果が得られる「がん治療中のお金の解決準備セット」は、現在91名の方が実践中です。登録後すぐにご利用いただけます。

初回相談
全額返金保証制度を準備していますので、ご安心してお申し込みください。

筆者プロフィール

黒田 ちはる
黒田 ちはるがん患者さんのお金の専門家 看護師FP
10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門の家計相談を行っています。2016年より全国から350名以上のご相談を担当してきました。東京都、埼玉県のがん専門病院などで家計相談員も務めています。気になることがありましたら、お気軽にご連絡ください。

書籍:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)