傷病手当金が通算1年6ヶ月に変更となると、がん患者への影響は

傷病手当金は協会けんぽ(全国健康保険協会)や、会社の健康保険組合に加入されている方が利用できる、休職中の生活保障です。

今回の傷病手当金の変更点は、今後のがん治療と仕事の両立においても大きい影響となります。
お受けしている家計改善サポートでも、しばしば出てくる「傷病手当金」

何が変更となり、がん患者さんにとってどのようなメリットがあるのかを、がん患者さんのお金の専門家、看護師FPの黒田が解説します。

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傷病手当金の今までの経過を振り返る

1.(2)に記載されています。

現在は同一の病気・けがに対して「支給開始日から1年6か月まで」の支給です。

これを「仕事を休んで実際に支給を受けた期間を通算して1年6か月まで」とすることが、2月5日に閣議決定された健康保険法等改正案に盛り込まれました。

いつから、どのように変わるのか

令和2年3月26日厚生労働省保険局「傷病手当金について」

令和4年(2022年)1月1日より実施されます。
今までは取得し始めてから18ヶ月後に使っていても使っていなくても終了していました。

これが、使った日数のみカウントされることになります。

がん患者さんへの影響と注意点

固形がんの治療の多くは、18ヶ月間丸々休まなくても、復職しながら治療を両立という選択肢がありましたが、

「今使ってしまうと、後々長期の休みが必要になった後に選択肢が無くなってしまう」と使うのに妨げになっていた部分がありました。

「休む時は休んで、働けるときに働き、傷病手当金はまた長期休むときまで取っておこう」という選択肢が増えたわけです。

18ヶ月終わったけれど、障害年金には該当しそうにない状況、でも働くことまでは体力回復していないというがん患者さんに多い悩みが解消されるのではと考えています。

取っておける選択肢が増えた分、他の利用できる制度との兼ね合いも今まで以上に考えていく必要性を感じています。

現時点で気になっている点

✅ 障害年金申請のタイミング(障害年金の認定日を過ぎた後も傷病手当金が残っている可能性があるのは良いことなのですが、難しくなりそう)

✅ 社会的治癒はどうなるのか

✅ 通算カウントの把握(あと何日残っている、今後の治療スケジュールの見通し)

✅ 来年4月までのカウントの扱いはどうなるのか

✅ がん治療の場合、通院で治療日と次の2日間休み、他の日は働くなどのこまめな使い方が可能なのか(現在はこのような使い方は労務不能ではないからと難しい健保組合もあるため)

治療方針やスケジュール、体調や働き方など総合的に考えていくことに変わりはありません。
より効果の得られる方法を模索していけるよう、私も家計面のサポートを続けていきたいと考えています。

今まで利用した方も要チェック

大事なこと

今後の話になってしまいますが、がんの場合は再発の場合でも要件を満たせば2回目の受給の可能性がありますので、ぜひ皆さんに知っておいていただきたい内容です。

ちなみに、白血病など治療が長期となり、休職する場合は今までと変わりありません。

なぜ、傷病手当金が支給されなかった53歳の大腸がんの彼が、
たった1日でお金の心配が無くなったのか?

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筆者プロフィール

黒田 ちはる
黒田 ちはるがん患者さんのお金の専門家 看護師FP
10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門の家計相談を行っています。2016年より全国から400名以上のご相談を担当してきました。東京都、埼玉県のがん専門病院などで家計相談員も務めています。気になることがありましたら、LINEからお気軽にご連絡ください。下の✉をクリックするとつながります。

書籍:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)