傷病手当金が通算1年6ヶ月に変更となると、がん患者への影響は

傷病手当金は協会けんぽ(全国健康保険協会)や、会社の健康保険組合に加入されている方が利用できる、休職中の生活保障です。

今回の傷病手当金の変更点は、今後のがん治療と仕事の両立においても大きい影響となります。
お受けしている家計改善サポートでも、しばしば出てくる「傷病手当金」

何が変更となり、がん患者さんにとってどのようなメリットがあるのかを、がん患者さんのお金の専門家、看護師FPの黒田が解説します。

今回傷病手当金で変更となる点

1.(2)に記載されています。

現在は同一の病気・けがに対して「支給開始日から1年6か月まで」の支給です。

これを「仕事を休んで実際に支給を受けた期間を通算して1年6か月まで」とすることが、2月5日に閣議決定された健康保険法等改正案に盛り込まれました。

がん患者さんへの影響と注意点

今までは「どっちにしろ1年6ヶ月で終わってしまうのなら、職場復帰せずに休んで傷病手当金をもらおうかな…」と、仕事と治療の両立の妨げになっていた部分が、

「休む時は休んで、働けるときには少しづつ継続しよう」

の選択肢が増えたわけです。

がん治療のように、

1ヶ月の内何日か治療で他は仕事ができる治療内容の場合、とても使いやすくなったというわけです。

例えば、3週間に1回の抗がん剤治療の日と、治療後3日間は副作用のため傷病手当金を受け取り、

次の週から検査や診察日までは職場復帰する。(体調的に可能なら)

そうすると復帰した日にちは1年6ヶ月にカウントされません。

今までは支給開始日から1年6ヶ月の終わりが決まっていたので、本当にこれは大きいです。

取っておける選択肢が増えた分、他の利用できる制度との兼ね合いも今まで以上に考えていく必要性を感じています。

✅ 有給休暇はいつ発生するのか、積み立ては可能か

✅ 障害年金申請のタイミング

治療方針やスケジュール、体調や働き方など総合的に考えていくことに変わりはありません。
より効果の得られる方法を模索していけるよう、私も家計面のサポートを続けていきたいと考えています。

今まで利用した方も要チェック

大事なこと

改正案では、健康保険における支給期間の通算化を令和4年(2022年)1月から施行するとしています。

今後の話になってしまいますが、がんの場合は再発の場合でも要件を満たせば2回目の受給の可能性がありますので、ぜひ皆さんに知っておいていただきたい内容です。

なぜ、傷病手当金が支給されなかった53歳の大腸がんの彼が、
たった1時間でお金の心配が無くなったのか?

筆者プロフィール

黒田 ちはる
黒田 ちはるがん患者さんのお金の専門家 看護師FP
10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門の家計相談を行っています。2016年より全国から350名以上のご相談を担当してきました。東京都、埼玉県のがん専門病院などで家計相談員も務めています。気になることがありましたら、お気軽にご連絡ください。

書籍:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)