傷病手当金が終わりそう、でもまだがん治療が続く方へ

傷病手当金がもうすぐ終わりそうでこれからどうしようと思っている方向けの内容です。同じ悩みを抱えた相談者のケースをがん患者さんのお金の専門家 看護師FPの黒田がご紹介します。

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傷病手当金が終わるときに思うこと

傷病手当金1年6ヶ月

傷病手当金のおさらいからしますね。
会社員・公務員の方が利用できる制度です。傷病手当金の詳細はこちら
(自営業や会社員の妻で扶養に入っている方は利用できません)

最長で1年6ヶ月支給されるので、治療が始まった頃~今まで生活資金や治療費の大部分になっていたかと思います。

患者さん

2/3と言っても、手取り額は思ったよりも少ないです…
貯蓄や医療保険、がん保険の給付金で補てんしながらやってます。

患者さんの奥さん

治療が始まった当初は傷病手当金と今までの備えでやりくりできてました。けど思った以上に治療が長引いてて…

患者さん

治療終了後に転移が見つかり、2回目の治療を行っています。

腸閉塞など合併症を起こして入退院を繰り返している方や、肺炎や腎機能が悪化して抗がん剤を休んでいるという方もいます。

皆さん「こんなはずじゃなかったんですけどね。」と言います。

きっとあなたも同じように思っているのではないでしょうか。

まず他に制度で利用できるものは無いかを考えていきましょう。

傷病手当金が終了した後の制度の選択肢として、現時点で可能性のあるのはこの2つです。

審査次第です。必ずという訳でありませんのでご注意ください。

障害年金:3級であれば、仕事に支障を来している場合は可能性がある

雇用保険の失業給付:再就職活動を行うなど、働く意欲があれば可能性がある

障害年金の3級が該当する場合考えること

申請から審査の結果、受給までに3ヶ月はかかりますので、傷病手当金が終わる3ヶ月前には書類の準備を始めると良いですね。

申請方法については「がん患者が障害年金申請する上で注意すること」をご覧ください。

ただ、注意しておきたいのは支給される金額です。

傷病手当金より減る可能性が非常に高いのはご存じですか?

最低金額は約5万円/月です。(参考:日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法」年金額 令和2年4月分から最低保障額 586,300円)

それ以上受給されている方もいますが、傷病手当金から障害年金に変わった皆さん、大体生活に苦労されています。

傷病手当金の時よりもさらに少ない金額で生活していくことになるためです。

今まで補てんとして使ってきていた貯蓄や保険の給付金も底をついてくる時期でもありますので、尚更どうしていったらよいかと思うのではないでしょうか。

傷病手当金のほかは何もない!⇒「何とかなりそうです!」(感想あり)

この時期に障害年金と雇用保険の失業給付両方該当しないケースがあります。

  • 初診日の時点で厚生年金では無かったため、そもそも3級が無い
  • 障害年金を申請したが、審査に通らなかった
  • 障害年金3級にも該当しないけれど、かといって再就職活動できる体調ではない
    ⇒局所的な症状の方や体調に波のある方に多い

もし、障害年金にも失業給付にも該当しない場合、どうしていったらよいのでしょうか。

同じように悩んでご相談に来られたけれど、前向きに過ごされている方のご感想をご紹介します。

【患者さんの情報】

・40代女性、大腸がん、手術後抗がん剤を行う。1年後に肝転移が見つかり、手術、抗がん剤を数年間にわたり数回行う。抗がん剤の効果が効かなくなってきている。腹部症状はあるが日常生活は何とか行えている。

・初診日の時点で国民年金

・夫と2人暮らし

【相談の感想】

(お申込みのきっかけ)

以前、講演会に出席していたので、黒田先生のことは知っていました。

傷病手当金と足りない分をがん保険の診断給付金で何とかやってきましたが、あと2ヶ月で傷病手当金が終わってしまう。障害年金を申請してみたけれど通らなかった。

何か収入となる制度がないか確認したいと思い、申し込みました。

(アドバイスを受けてみて)

貯蓄と保険内容を確認していただきました。

保険とかスマホの代金はあまり気にしたことがなかったので、目からうろこでした。

住宅ローンも専門的にみていただき、銀行へどうやって相談に行ったら良いかや準備についても教えてもらえてよかったです。

親にお金を借りるのだけはと思っていたので、何とか二人でやってみます。

これから準備してみて、無理そうだったらまたお願いします。

病気とお金のこと両方聞ける先生は他にいないと思います。

以上です。

ご感想ありがとうございます。

ご相談者さん名義で住宅ローンを組まれており、ご主人にも事情があるため収入を増やすことが難しいといった中でのご相談でした。

何とか方策を考えようとしている姿が印象的でした。

傷病手当金が終わりそうな方が行えること

今回は一人の患者さんのケースをもとに、傷病手当金が終わりそうだけど障害年金が該当しないときの方法を解説しました。

障害年金を含め、制度は万能ではありませんし、すべての人が該当するというわけではありません。

「傷病手当金が終わりそうでも、他に何も利用できない」

こんな時には他に何か収入源となるものは無いか探すことが大切です。

しかし今後の費用面をどうしていくかも早急に考えていくことをおすすめします。

傷病手当金が終わる3ヶ月前には動き出せると、安心して治療が続けられますよ。

私、黒田は10年間の看護師の経験から痛感した「高額療養費では解決できない、がん治療中のお金の悩み」に対し、FPのお金の知識を活用して、一人でも多くの方に安心した治療生活を送っていただきたい、そんな思いで日々取り組んでいます。

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筆者プロフィール

黒田 ちはる
黒田 ちはるがん患者さんのお金の専門家 看護師FP®
10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門に年間およそ180件の家計相談を行っています。
治療費捻出だけでなく、安心して治療が行えるための生活費や教育費、住居費の悩み解決を得意としています。
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