がんのお金の悩みは家族や医療ソーシャルワーカーからの紹介が多い理由

がん患者さんやご家族からお受けしている家計相談の方法として、NPO法人がんと暮らしを考える会で行っている病院の相談会と私が個人で受けている個別相談の2つの方法がありますが、両方合わせると多い時で20件/月になります。

この2つの相談、共通しているのは「患者さん以外の方からの紹介が多い」ことです。

病院では医療スタッフが気づき、促してくれることが多い

患者さん自身がここが気になっていて、解決したいとわかっているケースは全体の3割程度です。

病院では医療ソーシャルワーカーや看護師がスクリーニングなどで「この患者さん、今後困りそう」という気づきから患者さんやご家族に情報をお聞きし、高額療養費制度や傷病手当金といった公的制度では解決が難しい方を社会保険労務士と私のようなFPが一緒に行う「がん患者さんのお金と仕事の相談会」に促してくださるといった流れです。

告知や治療方針の説明の場で医師や、外来化学療法センターの看護師から紹介されてという流れもありますので、伺っている病院では全体でがん患者さんのお金と仕事の相談への理解があり、そして私たち相談員との信頼関係があるからこそ成り立っていると感じています。

病院は治療や病状も変化がみられる場であるため、医療の視点でお金のことを早めに解決したほうが良いタイミングを見分けるという意識が高いのかなと感じています。

個人で受けている相談にも変化がみられています

事務所で個人でお受けしている相談も今年に入ってから増えました。

「書籍を読んで、うちの家族の場合はどうしたら良いか聞きたくなりました。」

「近い方ががんになった。以前講演会に参加したのを思い出して連絡した。」などきっかけは人それぞれですが、個人でお受けしている相談も患者さん自身というよりは家族、友人、医療従事者など周りの方がきっかけになることが多いですね。

がんに関する社会面のつらさというのは、社会全体で考えていくことです。

患者さんご自身のつらさを周りの大切な人が感じ取り、相談場所へ誘導していくことは決してお節介なのではなく、悩みの解決の近道なのだなと実感しています。

特に感じるのが一人暮らしの患者さんです。行政や医療機関でできることにも限界があるので、社会全体で支えていけたらと考えています。

訪問看護スタッフや、病院の看護師からも相談してもらえるようになりました。

やはり、身近でみているからこそ気づく部分も大きいのかなと感じています。

「一人暮らしの方なんだけど…」

「お金のことでどうやら手詰まっている感じがする」

「訪問と病院診察両方でお金がかかって大変みたい」

「借金のことで相談を受けたけれど、どうしたら良いか…」

といったご相談が寄せられています。

多い流れとしては、まず医療スタッフから患者さんやご家族に「こういうお金の相談をしているところがありますよ。」と伝えていただき、患者さんやご家族に希望があれば、こちらの方へご連絡いただくという流れです。

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相談担当者:黒田 ちはる

10年間の看護師経験を持ち、現在も3つのがん診療連携拠点病院での家計相談員を務める、がん患者さん専門のFP(ファイナンシャル・プランナー)

制度だけでは解決の難しい患者さん個人の家計の悩みのサポートに専念するため一念発起し、2016年に看護師からFPに転身。

これまで千葉を中心に、悩みを抱える全国のがん患者さん、ご家族約250人のお金の相談を担当。

著書:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)
全国で講演やテレビのコメンテーターも行っている。

特定の金融機関に属さない独立系のファイナンシャルプランナー(FP)です。
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