がん患者の家族のがん保険加入・見直し

がん患者さんのお金の専門家 看護師FPの黒田です。

がん患者さんのお金のご相談というと、ご本人だけと思われがちですが、実際はご家族のお金や生活に関してのご相談も少なくありません。

よくお伺いするのが、この3つです。

  • 家族はどの位働けば生活が維持できるのか
  • 家族の生命保険の入り方
  • 家族の生活設計

患者さんご本人だけのご相談もあれば、ご家族でのご相談もあります。

今回は、乳がん経験者の方から、ご家族のがん保険についてのご相談がありました。
ご本人にご了承の上、ご紹介いたします。(個人が特定されないように調整済み)

M.Eさん、岐阜県在住の30代女性、乳がんにて治療中。
がん保険のありがたみが身に染みてわかったので、同世代の夫の保険も考えたいけれど、どのように考えたらよいかというご相談でした。

保障額の考え方

相談者の考えとして、現在二人暮らしのご主人が困らないためという明確な考えがありました。

まずはご主人の社会保険を確認すると、現在会社員で社会保険にも入られているとのことでしたので、仮にがんになり、治療のため休職するとしても「傷病手当金」の利用が可能であることがわかりました。

傷病手当金が利用できるかどうかは、がん保障額を考えるときにとても大切です。

月収30万円の方がもしも1年6ヶ月受給するとなると、総額で360万円です。(ここから社会保険、税金など払いますが)

もしも自営業の場合は、傷病手当金に代わる所得補償保険などの検討も視野に入れていく必要性があります。

ご主人の場合は、生活費の半年以上は何とかなるほどの貯蓄もあるとのことでした。

ここまでを整理すると、

  • 社会保険(傷病手当金による生活保障がある)
  • 緊急時の貯蓄額
  • がんになった場合は、ご自身のお金がなんとかなれば大丈夫そう

以上により、がん保険に関しては、診断給付金の必要性はそれほど高くないことがわかり、相談者の経験からも通院時の給付金の優先順位が高くなりました。

がん以外の疾患の備えも考える

がん保険はあくまでもがん治療のみの保障です。

最近私ががん患者さんの相談を受けていて思うことが、がん患者さんでもがん保険で全て賄えることがないということを経験してきているので、やはり他の疾患にも広くカバーしていくことも大事だと考えています。

保障に関しては、一点集中型だと状況によっては保障が全くでないこともあり得ますので、

  • 色々な保険を小額(必要額)ずつ
  • 保険以外でも備えられる部分を自分の生活や仕事に置き換えて考えておくこと

これが大事だと考えています。

そもそも若い方はがん保険に入るべきなのか?

生命保険証券

巷では、「がん保険必要論」のようなものがあふれていまして、30代、40代の若い方はがんになる確率が低いし、なったとしても高額療養費で何とかなるからがん保険は必要ないという意見もあります。

毎日のように、がん治療中の方の家計相談を行っている立場としては、この考え方には疑問を持っています。
がんになるかどうかの確率というのは、所詮他人の物差しです。
数%になったときに、確率論を唱えた方が責任を取ってくれるわけでもありません。

大切なのは、がんになる確率ではなく、がんになったとしたら困るのかどうか、困らせてしまう人がいるのかどうかです。

「まさか、がんになるとは思わなかった」のまさかに備えるのが保険の役割です。
決してそれ以上でもそれ以下でもありません。損得勘定で考えるものでもありません。

まとめ

大事なこと

治療中の方が、ご家族のことを心配して保険の加入や見直しを勧めるケースはここ最近続いています。

現在もある相談者のお金の相談と並行してとお子さんの保険を見直すということも行っています。

ちなみに私は保険に関しては募集人資格はありませんので、「がん患者さんの生活・お金の状況を知る立場」からのセカンドオピニオン的な役割をしています。

必要に応じて信頼のおける保険の募集人資格を持つ方々と連携しています。

経験者である患者さんの考え、思いを最大限良い形で反映できるようにお手伝いさせていただくのも、患者さんを含めたご家族全体のお金のケアだと感じています。

筆者プロフィール

黒田 ちはる
黒田 ちはるがん患者さんのお金の専門家 看護師FP
10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門の家計相談を行っています。2016年より全国から400名以上のご相談を担当してきました。東京都、埼玉県のがん専門病院などで家計相談員も務めています。気になることがありましたら、LINEからお気軽にご連絡ください。下の✉をクリックするとつながります。

書籍:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)