がん患者の子どもへのサポート【新社会人の場合】
がん患者さんのお金の専門家 看護師FPの黒田です。
よく、病院の相談員仲間と話すのですが、
仕事の相談は患者さんと会社のこと
だけど、お金の相談というのは患者さんだけでなく、家族も含めてなんですよね。
なぜかというと、世帯収入という考え方や、共に生活をしていると費用は、分けられないこともあるためです。
また、将来設計は一人ではなく、家族単位で考えるという理由もあります。
なので、お金の相談では初回はお一人でも、2回目からは可能であれば家族と一緒に参加していただいています。
お金のことを家族で話し合うことが、解決への第一歩でもあるので。
相談者の了解を得て、ご家族だけとお話することもあります。もちろんお子さんとも。
成人しているかどうかでまた話は変わってきますが、ある相談者のケースでは、ちょうど就職の時期ということもあり、相談者自身もキーパーソン(頼りになる人)は子どもとの意向をお聞きしましたので、お子さんとZoom面談しました。
その時のサポートを振り返ります。
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患者さんのお子さんとはどのような話をしているのか
面談というようなかしこまった感じではないのですが、
親御さんの身体のこと、気持ちのこと、どう感じているのかを素直な気持ちで答えてくれました。
「お母さんは、骨に転移しているので、やっぱり腰がつらそうですね。」
ときちんと状況を把握し、気にかけていることもわかりました。
しかし、どうやって表現したらよいのか、サポートしてあげたら良いかがわからない様子でした。
決してこのお子さんが特別ではありません。経験や年齢関係なく、皆さん身近な家族の変化にどう対応していったら良いか、そして不安をどう解消していったら良いかと悩んでいます。
私はがん患者さんの家計相談を行っている立場もあり、様々なご家族とお話してきている経験から、どのように声を掛け合っていったら良いのかなども一緒に考えていくことが可能です。
今回はお子さんが社会人なりたてなので、収入面ではまだそこまで介入は難しいのですが、今後は親御さんをサポートしていくうえで、医療スタッフとの関係性やお金のことなど知っておくと良いことをお話しました。
とても前向きに捉えられていて、後日親御さんと一緒に病院にも付き添われたそうです。
親子で思いやる気持ちはあっても、お互いに遠慮してしまい、うまく表現できないことはよくあることです。
しかし、何かがきっかけで話し合いができ、行動に移せることもあります。
たまたま今回は私がサポートに入っていたので、お金のことがきっかけではありましたが、お金や生活の不安を一緒に親子で考えていくことで親御さん(患者さん)も心強いし、お子さんも自分自身の生活の安定や、サポートに関われているという実感がわき、自信にもつながると考えています。
親子でお金のことを学ぶ方法
そんなお子さんへ、先日、相談者(患者さん)へ書籍をお送りする際に、お子さんへも冊子を同封しました。
日本FP協会が発行する「若手社会人のマネー&ライフプラン お役立ちハンドブック!」です。
私が医療事務の専門学校の授業を受け持っていた時に活用していたものですが、これ、本当に使えます。
給与明細や源泉徴収票の見方、ライフプランの考え方や運用、お金のトラブル防止など、新入社員は知っておきたい内容満載です。
ここまで?と驚かれるかもしれませんが、これも家族を含めた患者さんへのお金のケアの一つなのです。
相談者のお子さんへも支援している理由
お金のことは家族全員の考え方や生活スタイル、将来の希望によって変わってくるので、成人していて就職しているお子さんに関しては、極力家族の一員としてお金のことも今後の生活のことも患者さんと一緒に考えていってもらえたらと思うからです。
とはいえ、背負いすぎないよう、お子さんをサポートできる身内や医療スタッフなど、支援体制も整えていかなければなりません。
親子の思いがうまく表現できるようなお手伝いも大切だと考えています。
お子さんの年齢や、今までの親子の関係性など、様々な状況によりサポートの方法は変わります。
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筆者プロフィール
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10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門に年間およそ180件の家計相談を行っています。
治療費捻出だけでなく、安心して治療が行えるための生活費や教育費、住居費の悩み解決を得意としています。
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書籍:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)
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