【がん保険】公的保障の説明に重点を置いた保険募集人向け研修
がん患者さんのお金の専門家、看護師FP®として、今までに延べ5,000名近くの保険募集人の皆さんに研修を通じてがん患者さんのお金の実情をお伝えしてきましたが、昨年の金融庁営業手法に関する監督指針改正後から保険募集人の皆さんからの要望に変化が見られてきてますので、まとめた内容を共有いたします。
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金融庁の公的保障説明に関する新指針により変わったこと
2021年12月28日に金融庁は生命保険の営業手法に関する監督指針を改正しました。(金融庁:保険会社向けの総合的な監督指針 新旧対照表)
今回の主なポイントはこの3つです。
- 公的保険を補完する民間保険の趣旨に鑑みて、公的保険制度に関する適切な理解を確保するための十分な教育を行う
- 公的年金の受け取り試算額などの公的保険制度についての情報提供を適切に行う
- 自らのライフプランや公的保険制度等を踏まえ、自らの抱えるリスクやそれに応じた保障の必要性を適切に理解したうえで契約を結ぶよう配慮する
「本来は国が説明すべきだ」との声もあり、波紋を呼んでいますが、金銭教育の現状や国の広報による浸透には時間がかかることであるし、人が本気でライフプランや備えを考えるタイミングとしては、生命保険加入が現状では最適です。
特にがんの備えというのは、どうしても自分ごとに捉えられないことも多く、がんとお金や制度を関連付けてお話できる職種としては、保険募集人やFPが適任なのではと私は考えています。
相談現場で感じる、適性な生命保険加入について
実際に相談を受けていても、漠然とした試算で加入されていた生命保険は活用しきれていません。保障が薄かったり、保険料支払いに苦しむケースも。
反対にきちんとライフプランに沿って試算され、目的がはっきりしている生命保険に加入されている方はがんになった時や万が一の際の不安も最小限に留まっていると実感しています。
このことからも、よりリアルな説明を受けられることで今後救われる人は増えるのではないかと考え、研修では相談事例を基に経済面や心理的背景といった実情をお話しています。
指針の改正後は、保険会社や保険募集人の方からの研修のご依頼を受ける際のご希望内容も変わってきたなと実感しています。
より公的保障の実情を踏まえた研修内容へ
私はがん患者さんのお金の専門家、看護師FP®として、毎年多くの保険会社や保険募集人個人、FPからの研修講師のご依頼をお受けしています。(今までの実績はこちら)
がん保険のパンフレットやデータからではわからない、がん治療中のお金の実情や治療進歩・経済情勢・制度改正から起きている問題などをがん患者さんやご家族からの家計相談を受けている立場としてお話しているのですが、最近ではこのような要望も増えてきています。
- 高額療養費を利用しながらのお金の大変さ
- 傷病手当金や障害年金の利用状況と足りない部分
- コロナウイルス感染拡大による影響
- 保険募集人が、がん保険の説明の際に注意すること
今までよりも、さらに個別性を重視した説明に活かせる生の情報が求められていると感じています。
今までに研修を受けられた方からの感想(一部抜粋)
- 現場を知っている方からお話を聞く機会はとても参考になった
- 単なるデータではなく、患者さまや相談者のリアルな声が聞けてとても勉強になった
- 保険の位置について改めて勉強になった
- お客様に保障内容をご案内する際に、いつも一般的にという話で終わってしまってましたので、とても勉強になった
- 現制度の理解も経験者の現実も踏まえて伝える大切さを知った
- がんにかかる治療費は人によって様々で、しかも健康な方は自分ごとには考えないので、がんになったらの「たられば」話ではなく、どのように話を進めていけば良いのかがわかりました
- がんになった時に利用できる資源のピラミッドの話がわかりやすかった
がん患者さんのお金の専門家、看護師FP®としての思い
どうして保険募集人の皆さんへ研修講師としてお話しているのか。それは、保険募集人の皆さんとの情報共有が深まることで、長い目で見て悩む患者さんやご家族が減らせることにつながると考えているからです。
年間180名ほどのがん患者さんやご家族からの家計相談を受けていますが、私が直接治療中の方の不安を解消するには、マンパワー的に限界を感じずにはいられません。
困ってからの対処と同時に、今後困らない方を増やしていく活動の一助になればと思っています。
延べ5,000名近くの保険募集人の皆さんに知っていただけている「がん患者さんの生の声」を、これからも一人でも多くの方に伝えていきたいと思います。
講師はご依頼いただければ全国どこでも伺いますし、オンラインでもお引き受けしています。ご興味のある方は、「保険会社・保険募集人対象研修、個別研修」をご覧ください。
筆者プロフィール
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10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門に年間およそ180件の家計相談を行っています。
治療費捻出だけでなく、安心して治療が行えるための生活費や教育費、住居費の悩み解決を得意としています。
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書籍:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)
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