がん医療費と収入減の問題解決をがん対策の施策に上げていくための課題

10/8、認定NPO法人がんサポートコミュニティと公益財団法人日本対がん協会が共催(後援:厚生労働省)の研修「がんを正しく知り、がん対策を学ぶ研修2023」にて講師を務めました。

①がん治療の経済毒性
②高額療養費があっても悩んでいる実際とその相談例
いただいた質問やご感想を、がんと診断された時から制度とお金のやりくりについて確認できる体制づくりに役立てていきたいと思います。
がん対策にお金の問題解決を盛り込んでいくための課題

がんサポートコミュニティ(国際的がん患者支援の非営利団体ネットワーク)と日本対がん協会の共催で実際にがん対策推進基本計画の施行に携わった方々との意見交換も行えたことは、とても有意義な時間でした。
グループワークでは、「がん対策における患者参画」という壮大なテーマでした。
現在の患者参画の良い点、課題なども実際に携わっている方の話を伺うことができました。
どのグループでも出てきた意見としては、「大きい声だけでなく、小さい声をどう拾っていくか」でした。
どうしても多く集まる声が優先されてしまいがちです。かといって数少ない意見をどう活かしていくのかなど、意見を集約して代弁していく方の責任も重くなります。
今年3月に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画では、「誰一人取り残さないがん対策を推進し、全ての国民とがんの克服を目指す。」が全体目標として掲げられていますが、誰一人って改めて難しいことなんだなと実感しました。
患者参画については海外では厳しい要件があるようで、◯年以上治療から経過している方や、反対に治療真っ最中の方は自身のことで精一杯という理由があるため対象外と、治療時期も定められているそうです。
確かに治療時期も大事かもしれませんが、治療中でないと今大変な声が分かりにくくなってしまうし、反対にプロと呼ばれる方ばかりの参加になってしまうと、それはそれで現状とは少しズレてしまうとの意見もあり、患者という意味をすごく考えさせられた時間でした。
また、私が携わっているお金の悩みは声の大きさが圧倒的に小さく、問題として取り上げられるまでが大きな課題だということを気づきました。
理由として考えられるのはこの2つです。
①高額療養費があっても大変だという個人の家庭の事情を含んだお金の悩みというのは、何とかなっている他の患者さんにはなかなか言いづらいため、声を集める場での表現に至らないため。
②がんという疾患は高齢者が多い特徴があり、資産形成の段階や年金の固定収入、そして後期高齢者医療保険の医療費により現役世代や若年層の悩みが埋もれてしまいがち。
声は小さくて表面化しにくい問題ではありますが、切実であり、患者さんだけでなくご家族の人生・生活も変え得る重大な問題です。
私一人では目の前の相談者一人ひとりの対応に留まりますが、(もちろん一人ひとりの悩み解決はとても大事です)今年立ち上げた一般社団法人患者家計サポート協会の方でこの小さな声を集める工夫など行えて行けたらと考えています。
少しずつでも前に進めるよう、頑張ります。
私、黒田は10年間の看護師経験を持ちながら、「高額療養費では解決できない、がん治療中のお金の悩み」が多くの患者さんにとって大きな負担であることを痛感してきました。FPのお金の知識を活用し、一人でも多くの方に安心した生活を提供したいという思いで、日々活動しています。
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- がん患者さんのお金の専門家 看護師FP®
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10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門に年間およそ180件の家計相談を行っています。
治療費捻出だけでなく、安心して治療が行えるための生活費や教育費、住居費の悩み解決を得意としています。
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