乳がん再発と高額な医療費と向き合う~イブランス治療と仕事の不安を解消する相談事例~
がん治療に伴う医療費は高額で、多くの患者さんにとって大きな負担です。
今回、50代の女性から、乳がん再発で生じている高額な医療費や今後の仕事の不安についてご相談を受けました。
相談者より承諾が得られましたので、看護師FP®黒田がサポートさせていただいた内容と、相談者のご感想を、個人が特定されない形でご紹介します。
働きながら治療を行っている方々の参考になれば幸いです。
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患者さんの状況
治療歴
15年前に乳がんを発症し、手術・放射線治療・10年間のホルモン治療を受けました。今年乳がんの再発が判明し、多発性胸膜播種と悪性胸水の診断を受け、ステージⅣに。
現在の治療:イブランス、リュープリン・ノルバデックスを用いたホルモン治療を2カ月前から開始しています。咳が続いていましたが、最近は落ち着いてきています。
生活や仕事の状況

一人暮らし、会社員
治療のため2週間休暇(有給休暇を消化)し、復職予定です。
ご相談のきっかけと背景
高額療養費制度を使ったとしても医療費がとても高いことを知り、がんの治療に詳しいファイナンシャルプランナーさんに相談したいと思い、ネット検索したところ、黒田さんのホームページを知りました。
相談内容

抗がん剤治療の費用や咳などで、いくつかの病院にかかっており、月21万円の支払いがありましたが、高額療養費で抑えられる部分とそうでない部分についてご説明しました。
また、今後の働き方、休み方、退職した場合の医療費のかかり方や傷病手当金の申請の注意点についてお話しました。
相談者自身、様々な働き方、休み方を検討されており、場合に応じた医療費と傷病手当金、有給休暇の注意点を確認しました。
さらに、退職後の生活を考慮した住まいの選択や扶養控除の関係、住宅ローンに関するご質問についてもご相談いただきました。
相談後の感想
「制度の説明に加え、ほかの方々がどのようにその制度を活用しているのかや、いろいろな事例を交えながら教えていただけたことがとてもよかったです。
今後、制度を利用しなくてはいけなくなった場合などの相談先として、とても頼りがいのあるサポートを受けられることがわかって、大変安心しました。
どうもありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします。」
同じように悩んでいる方へのメッセージ
「再発・転移がわかり、医療費が高いことを知り、大変悲観的になりましたが、いろいろな制度を使うことができるし、意外と普通に働いて稼ぐことができることがわかってきました。
もう少し前向きに仕事をしながら、好きなことをするためのお金も稼ぎ、残りの人生を後悔がないように過ごしていきたいと思うようになりました。癌からはもう逃れられないと腹をくくって、一緒に前向きにいきませんか!」
看護師FP®黒田より
再発後の治療の1回目が終わり、今後の大体の体調の予測がわかるタイミングでのご相談でした。
制度の使い方やお金に関する不安が明確で、働き方にも希望をお持ちでしたので、まずはその点にお応えすることを中心に進めてまいりました。
もし退職する場合、生活の希望を考慮した住まいの選択や扶養控除の関係、住宅ローンと色々と順序だてて考えていく必要があり、継続的にご相談をお受けしていく予定です。
今回の相談者のように、特に明確な疑問がなく不安をお持ちの方でも、何を確認すれば安心してがん治療に治療に専念できるかについて、一緒に整理しています。
私、黒田は10年間の看護師経験を持ちながら、「高額療養費では解決できない、がん治療中のお金の悩み」が多くの患者さんにとって大きな負担であることを痛感してきました。FPのお金の知識を活用し、一人でも多くの方に安心した生活を提供したいという思いで、日々活動しています。
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家計相談のご案内
治療費の不安を解消したい方に向けて、マンツーマンで行うオーダーメイド家計相談を行っています。
- 完全予約制で毎月新規の受付は3名限定です
- 継続相談が多いため、早めのご予約をおすすめします。
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筆者プロフィール

- がん患者さんのお金の専門家 看護師FP®
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10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門に年間およそ180件の家計相談を行っています。
治療費捻出だけでなく、安心して治療が行えるための生活費や教育費、住居費の悩み解決を得意としています。
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書籍:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)
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