家族が抗がん剤を始めるとき、お金の面でサポートできること

がん患者さん専門の看護師FP黒田です。

「家族ががんになり、お金の面で何かサポートしてあげたいけれど、現金を出すのは難しい。どうしたら良いか」と悩んでいる方向けの内容です。

2016年よりがん患者さんとご家族の家計相談を行っていますが、参加者の内訳はこのような感じです。

  • 患者さんご本人のみ(40%)
  • 患者さんとご家族(40%)
  • ご家族のみ(20%)
  • その他(友人、同僚など)

患者さんとあなたとの関係性についてまずは考えてみたいと思います。

同居でしょうか、別居でしょうか?

今までお金について話せていましたか?

病気についてはどこまで話し合えていますか?

 

どのサポートが有効かは、患者さんとの関係性によって変わってきますので、これからお伝えする内容は「うちの場合だったらどうしてあげたら本人が喜ぶかな、助かるかな」という視点で参考にしてくださいね。

あなたの思いと患者さん自身の思いがすれ違っていることも少なくありませんので、お金の話し合いについては「家族ががんになった時の、生活やお金の悩みと解決策」も合わせてお読みください。

 

今回は現金のサポートが難しくてもお金の面でサポートできることをご紹介します。

患者さん自身は言い出しにくいことです。
しかしこれを行うことで今までよりも病気や治療、今後の生活について話しやすくなったという患者さんやご家族が多くいますので、ぜひご参考にしてください。

あなたにも生活や仕事がありますので、くれぐれも無理のない範囲で行っていただければと思います。

制度の手続きを一緒に行う、または代わりに行う

がん患者さんが利用できる制度はありますが、どの制度が利用できるのかをまず判断し、必要書類を準備してから各窓口に申請しなければなりません。

治療中は体力低下や合併症、副作用などにより、調べたり申請に行くことが難しくなります。

特に抗がん剤を行う方は少しぼーっとしてしまったり、今まですぐに決断できていたことも難しくなることがあります。これは外見ではわからないですし、皆さん困っている症状です。

治療前に利用できそうな制度をピックアップでき、準備ができているのが望ましいのですが、不安が大きく、これも難しいことです。

 

ここで家族であるあなたが利用できる制度を一緒に確認したり、手続きを行えると患者さんもとても心強いです。

何より制度の利用で金銭面の負担が軽減されることで現金でのサポートと同様のサポートができるのです。

各窓口への確認や同行は平日の日中であることも多いので、大変だとは思いますが、病院の医療ソーシャルワーカーやFPに確認されると準備がスムーズになりますので、ぜひご相談ください。

お金周りの管理で滞納を防ぐことも大事なサポート

制度のお話をしましたが、公的な制度のデメリットは時間がかかることです。

高額療養費も限度額適用認定証が発行されてからの限度額ですし、会社員や公務員が申請できる休業補償の傷病手当金は実際に仕事を休んでからの申請になりますので、治療開始から入金まで3ヶ月程度はかかります。

がん患者が傷病手当金受給中に注意すること

ここで患者さんたちが困るのが「治療開始してからの数か月間の資金調達」です。

患者さん自身が今まで行っていた口座の管理や振り込み関係が治療中も行えれば良いのですが、体調の変化で難しくなってしまう方もいます。

そんなときにご家族であるあなたが代わりに確認し、お金周りが滞りなくいくことも患者さんへの大事なサポートです。

 

ただ、このサポートは大変です。

以前、通帳と引き落とし関連のはがきを照らし合わせ、証券関係も探したり大変だと相談されたことがありました。

母親ががんになり緊急入院したため、別居中の息子さんが毎週末帰宅し対応していたのですが、項目別に口座を分けていたり、振り込み入金が必要な費用(これは税金関係に多い)もありました。

いくら息子とはいえ、実家を出てお金周りの把握ができていないうえに、息子さん自身の仕事や生活もありますので、両立するのは本当に大変だったと思います。

 

大変ではありますが、この心配がなくなると患者さんは治療に専念できることも事実です。
患者さんの悩みとして、身体や心のつらさは同じ境遇の方や医療者に話せるけれど、お金のことは誰にも言えないという孤独があります。

家族だからこそ心配して一緒に寄り添いサポートできることがあると実感しています。

患者さんに確認しながら、お金関係の疑問はFPに確認しながら、あなたの無理のない範囲で進めていけたらと思います。

そこでもし、支払いが難しい費用などあり、困った時にはお金のやりくりが必要になってきますので、お気軽にご相談ください。

この内容は、拙著「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」の49ページにも記載していますので、お持ちの方は合わせてご覧ください。

具体的な解決方法が知りたいご家族の方へ

今回は家族がサポートできる内容を中心にお伝えしました。

では、具体的にどんな制度やお金のやりくりが患者さんに合っているのかを確認していきましょう。

家族が具体的な「利用できる制度」や「お金のやりくり」の知識を持つことは、患者さんのお金の悩みが軽くなり、治療にも専念できたり、安心した治療生活を送ることができるので大変有効です。

 

そして、お金の面で見通しを立ててあげることも、一つの方法です。

患者さん自身は見通しがつかないことで不安に思っていることが多いです。
無料でダウンロードできますので、ぜひご活用くださいね。

算出を行いやすくするための、「治療中の生活設計表」のExcel版も無料ダウンロードできますので、ご利用ください(ページ中盤)

どこからサポートしていけば良いかと悩んでいる場合は、がん患者に詳しいFP(ファイナンシャル・プランナー)に相談し、利用できる制度や、そして今後のお金周りの必要な手続き、費用の支払いをシミュレーションしてみると、気になる点が整理できるかと思います。(→「がん患者がFPに相談すると何が変わるのか」)

家族が一人で抱え込まないことが大切です。

がん患者家族からの抗がん剤治療費&ローン返済相談(ご感想)
大腸がんになられた方の奥さまからのご相談の詳細と感想です。ご参考にしてください。

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(ちなみに事務所は千葉)

相談担当者:黒田 ちはる

10年間の看護師経験を持ち、現在も3つのがん診療連携拠点病院での家計相談員を務める、がん患者さん専門のFP(ファイナンシャル・プランナー)

制度だけでは解決の難しい患者さん個人の家計の悩みのサポートに専念するため一念発起し、2016年に看護師からFPに転身。

これまで千葉を中心に、悩みを抱える全国のがん患者さん、ご家族約250人のお金の相談を担当。

著書:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)
全国で講演やテレビのコメンテーターも行っている。

特定の金融機関に属さない独立系のファイナンシャルプランナー(FP)です。
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