看護師FPとして大切にしていること

私は看護師として、とても大切にしていることがあります。一つは『自律』できるようサポートすることです。もう一つは『治療の意志決定』ができるようサポートすることです。

『自律』というのは、自立ではありません。

がんの影響により、自身で行えることが減ったとしても、自分のできる範囲で行えることを見いだし、それが実行できるようサポートしていくことが大切だと思っています。『治療の意志決定』については、医療者側が正しい、良かれと思っている方針でも、患者・家族にとってはもっと大事にしていることや、優先事項があり、必ずしも医療従事者=患者・家族の考えとはなりません。

私が一番してはいけないと思っていることは、患者・家族が『こんな選択しなければよかった。』 後悔されることです。特にがん治療の現場ですと、選択により今後の生活や残された時間も左右することも多々あります。納得した上での選択をしていくためには、いい情報も悪い情報もすべて伝え、選択した治療を行ったその後についても理解し、患者家族全員で話し合ってもらうことが大切だと思っています。

ここには、治療費や生活費に関する問題も絡んできます。治療方針や療養場所の決定は患者さんとご家族、そして医療従事者が思いを共有しながら決定していくことではありますが、決定した内容を安心して進めていけるためにも、私は看護師としては介入が難しかったお金の悩みを今度はFPとして支援していけることで、意志決定や、自律に結びつくと考えています。

 

看護師である私、FPである私の両方とも、がん患者・家族に願う気持ちは一緒です。

筆者プロフィール

黒田 ちはる
黒田 ちはるがん患者さんのお金の専門家 看護師FP®
10年間の看護師経験を活かしたFPとして、がん患者さん、ご家族専門に年間およそ180件の家計相談を行っています。
治療費捻出だけでなく、安心して治療が行えるための生活費や教育費、住居費の悩み解決を得意としています。
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書籍:「がんになったら知っておきたいお金の話 看護師FPが授ける家計、制度、就労の知恵」(日経メディカル開発)