過ごす場所の希望と現実

在宅緩和ケアについて自宅で最期を迎えたい方(希望)は6割いますが、実際に最期を迎えているのは8割が病院という現状です。(厚生労働省のデータによる)

ある調査で自宅で過ごしたい理由として、

『好きなものを食べ、好きなことをして過ごしたい。』

が挙げられていましたが、私も病棟で勤務していた時にそれを実感していました。

入院の場合、何かあった時には安心ですし、家族の負担も在宅に比べると少ないという意見があります。

しかし一方で、必ず起こる訳では無いのですが、生活の質(QOL)の低下が起こります。

病院は治療の場なので仕方の無い面もありますが、ベッドの上で見る景色はいつも同じですし、たまに気分転換に散歩へ行く程度でした。

もちろん緩和ケア病棟ではまた違った過ごし方になると思いますが…

 

過ごす場所の選択をする時期

もう治療法が無いから、退院するのでは?と思う方も多いと思います。

しかし実際はもっと前の段階でも選択する時期があります。

過ごす場所の選択の理由として、

ご本人・ご家族が行いたいことができるということがありますので、体調やケアの内容など、総合的にみながら場所やタイミングを決めていきます。

その流れで在宅緩和ケアを選択した場合、気になる点として

・入院中と同様の治療やケアが受けられるのか

家族の負担や費用の不安

が挙げられます。

 

家で過ごす場合の費用について

在宅療養(家で過ごす)費用負担に関してですが、高額療養費適応で一ヶ月の目安として、70歳以上の計算で、在宅医療費で12,000円、プラス介護を含めても30,000円台と検討しやすい金額だと思います。

緩和病棟入院の場合は高額療養費適用で44,400円です)

 

しかし、70歳未満ですと高額療養費の上限も変わります。

介護保険の適用されない年代だと、さらに負担は変わってきます。

 

がんになる方の3分の1は仕事をしている現役世代と呼ばれる方達なので、この年代の医療費、介護費についても考えていく必要があると感じていました。

 

今回、在宅医療の現状と今後、そして在宅医療に関する民間の保険についての講習会に参加し、

・今後医療機関や施設の飽和状態により、在宅療養の選択をする方が増えていくこと

・在宅医療を行う体制(在宅診療医の人材不足や地域差)が整っていない

・民間の保険の役割

がんに限らず、全ての在宅医療・介護に関する広い知識を改めて勉強することができました。

特に介護保険適応されない年代の方たちにとっては、費用の負担が軽減され、入退院を繰り返しても対応できるという柔軟性のある民間の保険を選択するのも一つの方法だと感じました。

費用以外の負担について

現在の公的サービスでは全てはまかなえないため、在宅医療・介護はどうしても家族や周りの方の協力も必要になってきます。

家族や周りの方の生活環境も変化が生じますので、介護する方の受け入れの状況をみながら、仕事の調整や資金計画も考慮し、身体的、精神的、経済的負担の軽減を図りつつ、在宅への移行をすすめていく方法が良いと考えています。

看護師FPとして考える在宅緩和ケア

在宅緩和ケアを選択する方々をみてきた経験より、感じたことがあります。

費用の面は、ご本人とご家族の強い気持ちでカバーすることが可能だということです。

逆もあります。

気持ちが定まっていないと、「こんなはずじゃなかった」という結果になってしまいます。

医療者としては、入院、在宅、ホスピスや緩和ケア病棟などあらゆる方向性のメリット・デメリットの説明を行い、ご本人・ご家族の気持ちが整理でき、より良いタイミングで選択できるようサポートしていくことが大切だと考えます。

そして私たちFPは、費用面での不安が少しでも軽減できるという役割がありますので、経済面での緩和ケアとしてサポートする必要性を感じています。

さんが今からできること

緩和ケアについても、現在はまだ在宅診療を行える医師が不足している地域もありますし、訪問看護、介護も含めて緩和ケアを受けられる体制についても地域差が生じています。

居住地の在宅支援を調べておくことや、人生観・死生観を反映させた最期の迎え方について、家族間で共有しておくことをおすすめします。

健康なうちに、意見の交換ができるうちに行っておくべきだと思います。体調の変化がみられてからでは話せない事もあるからです。

費用の面に関しても、事前に調べておくことで、過ごす場所の選択の幅が広がると思います。

 

また、独り身の方も増えてきています。私も看護師の経験で在宅療養への移行について方向性に悩んだこともあります。独居の高齢者の社会的サポート

まだまだ課題も多い在宅緩和ケアですが、過ごす場所のより良い選択が行えるよう、今後も取り組んでいきたいです。

このような、過ごす場所の選択など、経済面での緩和ケアのサポートを行っています。